(1)ロシア皇帝より格上げし、中央アジアをロシアから奪取してカスピ海以西に封じ込める。(2)そのためにアフガニスタンに侵攻までした。(3)そこで彼はプロイセン、ロシア、トルコの間に割って入り、バルカン四国の独立に対してはトルコのためにケチをつけた(ブルガリアの完全独立を阻止)。(4)ロシアにはカフカスの領有権だけで抑えた。(5)さらにディズレーリは抜群の海軍力にもの言わせてダーダネルス海峡に艦艇を派遣して示威行為を展開、ちゃっかりキプロスの占領行政権をせしめて、ビスマルクに「あのユダヤ爺めが、やりおるわ」と舌打ちさせたのである。
結果的にプロイセンにロシア封じ込め役まで押しつけたディズレーリは、以後三十六年間、ヨーロッパから戦火を遠ざけた。まさに「一角獣」が、縦横無尽に突きまくったのである。
大英帝国の異端児たち(日経プレミアシリーズ)