1937年に日中戦争が始まると、中国の蒋介石が率いる国民党政権は長江(揚子江)中流の重慶に拠点を構え、日本に対する抗戦の拠点としました。この重慶に対して、アメリカやイギリスなどの後の連合軍は支援物資を輸送することになり、日本側に妨害されないような輸送ルートを探しました。これがいわゆる援蒋ルートと呼ばれるもので、その際に最も便利なルートが、この滇越鉄道を利用するルートでした。このため、第二次大戦が始まって1940年にフランスがドイツに敗退すると、日本は援蒋ルートの遮断を名目にフランス領インドシナ(仏印)北部への軍隊の進駐を認めさせたのです。やがて日本軍は仏印南部にも軍隊を進め、1941年12月にマレー半島とタイへ侵攻することでいわゆる太平洋戦争が始まるのです。
東南アジアを学ぼう 「メコン圏」入門 (ちくまプリマー新書)