満場一致で二度も大統領に選出されたのはワシントンだけです。副大統領は独立宣言の起草者の一人で、後に第二代大統領となるジョン・アダムズが二期とも選出されました。
ワシントンは最初の国務長官に建国の英雄の一人で、州権主義を唱えるトマス・ジェファーソンを任命し、財務長官には中央集権主義のアレグザンダー・ハミルトンを配して、バランスを取りました。しかし、ジェファーソンの共和派(リパブリカンズ=Democratic-Republicans)と、ハミルトンの連邦派(フェデラリスツ=Federalists)は次第に対立を深め、ワシントンが三選を辞退した後は、両派の確執は激しさを増していきます。ワシントン自身の考え方は連邦派に近いものでした。
大統領でたどるアメリカの歴史 (岩波ジュニア新書)