江村洋『ハプスブルク家』講談社現代新書 pp.46-47

 ブルゴーニュ公国は、故シャルル公の妃がイギリス王家の出身であったこともあり、また英国が羊毛の輸出入国でもあったから、この国とは気心が知れた仲といってもよく、両国間には良好な関係が保たれていた。ところがフランスとは事あるごとに対立してきた。そしてこの両者の抗争は、そのままマクシミリアンに受けつがれた。約4世紀にわたるハプスブルク家対フランス王家(ヴァロワ朝・ブルボン朝)との壮絶な覇権争いは、これをもって濫觴とする。18世紀半ばにマリー・アントワネットがルイ16世に嫁するまで、延々400年近くの間、互いに相手を打倒しようと肝胆を砕く。

ハプスブルク家 (講談社現代新書)

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