堀越孝一編『新書ヨーロッパ史 中世篇』講談社現代新書 p.158

 ヨーロッパでは、5世紀以降のメロヴィング朝は小寒冷期であり、カロリング期(751年)以降温暖期に入り、13世紀まで温和な気候が続いたと言われている。14世紀には再び寒冷期に入り、短期的には温暖期(15世紀半ばから16世紀半ば)を含みつつ、18世紀まで寒冷期が続いた。ヨーロッパが11世紀から13世紀にかけて政治・経済・文化の面で本格的な発展をとげた背景には、まさしくそうした気候の変化があったと言えるだろう。気候の温暖化は、農業に適した降水量をもたらしたのである。

新書ヨーロッパ史 中世篇 (講談社現代新書)

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