安達正勝『物語フランス革命』中公新書 p.22

 革命期のフランスの人口動態について簡単に言及しておきたい。
 革命勃発時のフランスの人口は2600万であった。これはロシア(3000万?)やハプスブルク帝国の総人口(2700万)よりは少ないが、イギリス(1000万)やスペイン(1000万)やプロシア(600万)にくらべるとはるかに多い。革命のフランスは一国でほぼヨーロッパ全部を相手に戦争することになるが、この人口の多さがその支えになった。
 また、18世紀初頭のフランス人口は2000万だったから、90年の間に人口が三割も増えたことになる。しかも人口構成が若かった。1789年の時点で人口の36パーセントは20歳以下で、40歳以上は24パーセントにすぎなかった。つまり、人口の四分の三は40歳以下だったのである。人口の増大と人口構成の若さが社会的活力を産み、これも革命の原動力の一つになった。

物語 フランス革命―バスチーユ陥落からナポレオン戴冠まで (中公新書)

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