曽村保信『地政学入門』中公新書 pp.147-148

 カリフォルニアを手に入れた合衆国は、当然のこととして、その領土の両側の海を互いに結ぶ連絡ルートの開発に無関心ではいられなくなった。けれども海上の王者英国が、そう簡単にその支配の座をおりるはずもない。最初から候補にのぼったのは、メキシコ南部のテワンテペック地峡、ホンジュラス、ニカラグア、それにパナマの四ヵ所だった。このうち合衆国は、パナマにたいして最も強い関心をもち、1846年にニュー・グラナダ(パナマ分離前のコロンビアの旧名)と条約を結んで、その通過権にたいする保障を得た。

地政学入門―外交戦略の政治学 (中公新書 (721))

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