東インド会社の高級営業部員であったT・ラッフルズは、ナポレオンによってオランダ本土が占拠されていた1800年にオランダ領ジャワ島を占領した。しばらくはジャワ社会の改革のために努力したが、結局ナポレオン戦争後1814年の条約でジャワはオランダに返還された。そこでラッフルズは、1819年マライ半島突端にあったシンガポールの島を獲得し、ここに「商業の自由」の原則に立った自由港を建設した。インド洋と太平洋とをつなぐシンガポールはこれから急速に繁栄し、イギリスの中国進出の重要な足場にもなった。
東インド会社 巨大商業資本の盛衰 (講談社現代新書)